「いのちのひかり かがやいているよ」とは
第1章
本が出来るまで
この本は私「りんりん」が三女「うりりん」を出産した時のお話です。
うりりんは予定日より2ヶ月半も早く、私の37歳の誕生日に1200gで生まれて来ました。
その日からNICU(新生児集中治療室)で過ごした103日間の中で、私が感じたこと、もっとこうだったらいいなと思ったことを、これからNICUで過ごすお母さんたちに伝えられたらいいなと思って書いた本です。
お母さんが我が子を心配するのは当然です。
私も不安と心配と、小さく産んでしまった申し訳なさで、初めて保育器の中のうりりんを見た時は泣くことしか出来ませんでした。ですが心配の代わりに我が子の生命力を信じ、祈ることの大切さに気付けたのも、この103日間に我が子の命の光を見つめられたからでした。
本を書こうと思ったのは「明後日の午前中に退院です」と担当の看護師さんに言われた時です。
すぐに家に帰ってうりりんの写真のあまり悲壮感のないものをいくつか選び印刷しました。
「いのちのひかり かがやいているよ」と本の題名もすぐに決まりました。
私自身がNICUで感じた心配や不安の中でも、知ってさえいれば安心出来ることや、受け止め方を変えられたらもっと楽だなと思ったことを、次にこの場で自分を責めてしまうかもしれないお母さんたちに伝えたい。小さかったり病気や障害があっても我が子の生命力を「きっと大丈夫」と信じる心こそが、子育てに大切なことだと伝えたくなりました。
うりりんと、うりりんの二人の姉たちの他に、お産の時に天使になった長男も応援してくれているような気がしました。
しかし、一方でこのような不安や罪悪感の中にいるお母さんに、誰のどんな言葉が届くだろうか?誰からの言葉も責め句にしか思えなかった私にとっての気がかりでした。押しつけになってもいけない。お母さんたちが寄り添って欲しいのは誰か?そんなことを考えた時、うりりんが私を見つめてニヤ〜っと笑ったのです。
そこでうりりんがみんなにNICUを案内してくれるお話にしよう!そう決めたらすらすらと言葉が出てきました。
「はじめましてママ。
生まれたばかりのうりりんが話せるわけもないのですが、その様に思って言葉を紡ぎ始めると、するするとまるで本当に娘が語っているかのように言葉が浮かんできました。初版の本はきっかり1日半で出来上がり、退院時にNICUにプレゼントすることが出来ました。
仮に看護師さんたちがこのような本を作りたいと思っても、肖像権の問題で実際には難しいこともわかっていたので、プレゼントの時に、たくさんの人の目に触れてもいいと申し添えてお渡ししました。